こくこくと過ぎてゆく日常が
明日につながっていること
常に未来に向かっていること
そう思える幸せと
過去が自分を形成しているという実感
過去も現在も未来も
進行している気がする
ー父ー
父が通う大学の
広いグラウンドを
庭のようにして遊んだ
アホのようなコスチュームは
親の趣味だ
子供にとって
親は
「絶対」なのだ
毎朝
朝食ができるまでの数分間
父の膝に乗り
シーソーごっこをする
乗り物が大好きな私は
この日課を欠かさない
夏休みの自由研究に
リトマス紙を使った化学反応の実験結果を
レポートにした
担任の評価は
「小学校低学年には難しすぎる」
父、激怒
人より劣ることを
虐げられた事もなければ
人より優れている事を
誉められたこともない
他人と比べて評価するのでなく
“自己を持つこと”
を 大切にしてくれた
蒸した風
ゴムが焼けたようなアスファルトのニオイ
夏祭りは子供の頃 唯一の夜遊びだった
父は町内会からビールを振る舞われご満悦の体
紺色のゆかたは大人の色で
早く白いゆかたとしゃんじゃくを
卒業したかった